ずっと大好き…この恋は永遠…



「プロポーズ…考えた事もないです」


「まだ20歳にもならないんだもんねぇ」


「斎藤さんは…26でしたっけ?」


みのりが首を傾げると、斎藤も同じように真似して首を傾げた。


「個人情報だから守秘義務が…」


「27だぞ、佐倉」


後ろから飛んできた上司の声に、みのりと斎藤が顔を合わせて…

斎藤が苦笑いを浮かべた。


「絶対セクハラだし。

こないだセクハラ対策で新しい課出来てたよね。

コンプライアンス室だっけ?
言いつけてやろうかな…

佐倉さんの彼氏の浮気疑っただけでえらい目に遭ったし(笑)」


ぶつぶつ言う斎藤に笑いながらも、頭の中はいつのまにか浮上してしまった浅井の浮気疑惑でいっぱいだった。


…正しくは浮気疑惑じゃなく、自分が嫌われたんじゃないかという疑念。


嫌いとまではいかなくても、自分に対する気持ちが薄れているのかもしれないという思いが小さく波を立てて…

不安を積み立てて行く。


今まで築き上げた小さな自信が…

大きく、揺れる。




斎藤に言われたからじゃない。


浅井からの連絡が少なくなってからずっと…

小さな不安がくすぶっていた。



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