ずっと大好き…この恋は永遠…



病室の外を賑やかな集団が通り過ぎる。


だけど、そんな声も気にならなかった。


何も吸収しようとしない頭は、ぼーっとしているだけでそれ以外の行動を許さなかった。


ただ立ち尽くして…頬を流れ落ちる涙を手で拭うことも出来ない。


ぎゅっと掴まれたように苦しくなった胸にまた瞼が熱くなった時…

浅井が言葉を続けた。


「僕よりも悠太くんの方がって…それは分かってるんです。

だけど…」


今まではっきりと話していた浅井が言葉を詰まらせた。


なかなか続きを言わない浅井に、みのりが顔を上げた時―――…




「だけど―――…

オレが…僕が、みのりを離してやれません」





穏やかな風がカーテンを揺らす。


そんな風に吹かれながら呆然とするみのりの隣で、悠太がふっと笑みを落とした。



.
< 276 / 292 >

この作品をシェア

pagetop