ずっと大好き…この恋は永遠…
「……」
無言の浅井が車を止めたのは、みのりでも知ってるほどの高級ホテルだった。
車を出た浅井に続いてみのりもドアを開ける。
地下駐車場という事もあって、一気に上がった体感温度が肌にまとわりついて気持ちが悪い。
「浅井さん?」
明らかにいつもより口数の少ない浅井に呼びかけると、ロビーへと続くきらびやかな階段を上がる浅井が振り返って…
みのりに手を差し出した。
「…ん」
それだけ言って少しだけ微笑んだ浅井の表情はぎこちなくて。
みのりが不思議に思いながら、その手を取った。
ロビーに着いてもその手は離される事はなく…
ロビーにいたボーイに名前を告げる時も、案内されるままその後ろをついていく時も、2人の間で繋がれた手が揺れていた。
やけに力強く握られた手に首を傾げながらも、エレベーターに乗って浅井の横顔を見る。
こんな小さな室内でさえ高級感漂う雰囲気に圧倒されていると、長いこと乗っていたエレベーターが止まった。
35階。
示された数字に驚きながらも、浅井の手に促されるようにエレベーターを降りた。
3512号室。
そう番付られた部屋の鍵をボーイが開ける。
そして丁寧な説明をしてから、鍵を浅井に渡して出て行った。
「お食事は19時30分からとなっておりますので」
そう残された言葉に、みのりが浅井を見上げる。
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