ずっと大好き…この恋は永遠…
ボーイが出て行くと、浅井が手を引いてみのりを窓際に連れて行った。
夜景を一望できる大きな窓は、2人で両手を広げても足りないほどで…
訳がわからないままここまできたみのりがやっと口を開いた。
「え…ここ、どうしたの?
食事してくの?」
じっと見上げてくるみのりに、浅井がちらっと視線を移した。
「食事もだけど…泊まってくつもり」
「泊まって…?!
だってここっ…すごく高いでしょ?!」
みのりが浅井のシャツを掴みながら聞くと、浅井が苦笑いを浮かべた。
「金の事は気にすんなよ。
…もう払ってあるし。
ただ昨日予約したから最上階は取れなかったんだけど」
「最上階…?
…今日何かあるの?」
もしかしたら何かの記念日だったのかもしれないと思い、みのりが慌てて記憶を引っ張り出す。
9月28日。
誕生日でもなければ付き合いだした記念日でもない。
もしかしたら、初めてのデートの日かもしれないと、必死に思い出そうとしても日付までは覚えてなくて。
「心配しなくても今日は何の記念日でもないからな」
しょんぼりとしていたみのりが顔を上げると、みのりの考えを見透かしたような浅井が微笑んでいた。
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