ずっと大好き…この恋は永遠…
1..縮まった2人の距離

ドキドキの合い鍵






「や…浅井さ…待ってっ」


「…なんで?

オレはみのりを助けてやろうとしてるだけだけど?」


「だって…あ…っ…本当にダメ…っ!」



浅井の部屋のリビングの一角で、みのりが抵抗する。


そんなみのりに意地悪をしながら楽しそうに見つめる浅井が、みのりの言葉に従う様子はない。


「…ダメ?

じゃあ逃げれば?

…逃げられればだけどな」


意地悪に笑う浅井を、みのりがまだ涙ぐむ瞳で見つめる。


腰の抜けたこの状態を招いた浅井を、キっと睨み上げた。










さかのぼる事、15分。




時計は18時を指していた。


早々に梅雨明けした7月の空はまだ明るい。



…―――ピンポーン…


軽快なチャイムの音が3階建てのアパートの一室に響く。


3階の奥から2つ目の浅井の部屋に。



いつもなら聞こえる足音が今日はなかなか聞こえてこなくて…

みのりがチャイムから指を離しながら不思議そうに首を傾げた。



合い鍵をもらってから2ヶ月ちょっと。


毎週火曜日は浅井の部屋を訪ねるのが日課になっていたみのりが合い鍵を使う事はまずなかった。



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