ずっと大好き…この恋は永遠…
2人の過去
玄関を開けると真っ直ぐに伸びた廊下が2人を迎える。
右にキッチンと広めのリビング、左に寝室、そして突き当たりに洗面所とお風呂。
ユニットバスじゃないところと広めのリビングが浅井の気に入ったところだった。
リビングに入るなり、浅井がスーツを脱ぎ、片手でネクタイを緩める。
そんな様子を目の当たりにしたみのりが慌てて浅井を止めた。
「待ってっ!」
「…なに?」
「今のもう一回やって!
ネクタイ緩めるとこ、ムービーに撮りたいっ」
目をキラキラさせながら浅井の腕を掴むみのりに、浅井が呆れたように笑う。
「やだ」
「なんで〜…
浅井さん普段ネクタイしないし貴重なのに…
せっかくかっこいい仕草だったのに…」
予想した通りのみのりの文句を聞いてから、浅井がソファに腰掛けた。
そして、ソファの空いたスペースをぽんぽん叩き、みのりを隣に座らせる。
「……」
座らせてみたものの、なかなか切り出せない話に頭を悩ませていると、みのりが先に口を開いた。
「…悠太の事?」
みのりの口から出た名前に、浅井がみのりをじっと見つめる。
みのりが『悠太』と呼んだ事で、浅井の中の嫉妬心が浮き上がる。
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