ずっと大好き…この恋は永遠…

しるし




「あれ…

何?あのカバン…」


夕飯を買いに行くにも食べに行くにも格好が格好のため、ピザを取った。


届いたピザを食べ終わった時、リビングの端にあるカバンに気がついた。


あまり見かけないカバンに、みのりが首を傾げる。


「あぁ、明日から職員旅行だから。

…言ってなかったっけ?」


「うん…職員旅行って事は教習所お休み?」


「あぁ。

旅行って言っても明日の夕方行って飲んで次の日の朝帰ってくるだけだけど」


「どこ行くの?」


みのりの見つめる先で、浅井がピザに付いてきたコーラを2つのコップにつぐ。


氷の入ったコップに入ったコーラがシュワシュワと音を立てて白く濁った。


「県内の温泉だよ。

車で1時間くらい。

はい」


「……」


こん、とコーラの入ったコップを前に置かれたみのりが表情を曇らせる。


「どうした?

別にコーラ平気だったろ?」


不思議そうに聞く浅井に、みのりが口を尖らせる。


「なんだよ(笑)」


なかなか理由を言わないみのりに浅井が笑うと、みのりが尖らせた口からポツリと言葉を落とす。


「…女の人も行くの?」


やけに深刻な顔をしたみのりから出た言葉に、浅井がふっと笑みをこぼした。



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