ずっと大好き…この恋は永遠…



『こないだ1回だけ教えてもらったんですけど…

たくさん話しかけてきてくれたんです。

なんかいいですよねっ
落ち着いてるし、優しいし…

あと、声がすごく好きですっ』


「…そう…なんだ」



少し興奮した様子の塚越に何て言えばいいのか分からなくて…

みのりがそれだけ言って口を結ぶ。


電話片手に直そうとしたメイクも、ファンデーションのスポンジをもったまま手が止まってしまっていた。


『あ、なんかごめんなさい(笑)

つい興奮しちゃって…

あたし、浅井さんくらいの歳の人と話した事があんまりないせいか…

ドキドキしちゃって』



塚越の言葉に、1年前の自分が思い起こされる。


初めての浅井との教習。


あの時、確か話しかけてきてくれたのは浅井からだった事を思い出す。



『つぅか、就職組?』

浅井のその言葉から、会話が始まった。


その言葉から、2人の関係が始まった…





「たくさんって…何話したの?」



『えっと…浅井さんから『就職組?』って聞いてきてくれて、それから色んな話したんです。

車の中で2人きりってすごい緊張しちゃいますよねっ

しかもタバコの匂いとかして余計ドキドキしちゃって』




やきもちなのか、なんなのか…

みのりの胸をざわざわした不安が襲う。



好感を持っていたはずの塚越の声が、みのりの不安を掻き立てる。



.
< 45 / 292 >

この作品をシェア

pagetop