ずっと大好き…この恋は永遠…
『こないだ1回だけ教えてもらったんですけど…
たくさん話しかけてきてくれたんです。
なんかいいですよねっ
落ち着いてるし、優しいし…
あと、声がすごく好きですっ』
「…そう…なんだ」
少し興奮した様子の塚越に何て言えばいいのか分からなくて…
みのりがそれだけ言って口を結ぶ。
電話片手に直そうとしたメイクも、ファンデーションのスポンジをもったまま手が止まってしまっていた。
『あ、なんかごめんなさい(笑)
つい興奮しちゃって…
あたし、浅井さんくらいの歳の人と話した事があんまりないせいか…
ドキドキしちゃって』
塚越の言葉に、1年前の自分が思い起こされる。
初めての浅井との教習。
あの時、確か話しかけてきてくれたのは浅井からだった事を思い出す。
『つぅか、就職組?』
浅井のその言葉から、会話が始まった。
その言葉から、2人の関係が始まった…
「たくさんって…何話したの?」
『えっと…浅井さんから『就職組?』って聞いてきてくれて、それから色んな話したんです。
車の中で2人きりってすごい緊張しちゃいますよねっ
しかもタバコの匂いとかして余計ドキドキしちゃって』
やきもちなのか、なんなのか…
みのりの胸をざわざわした不安が襲う。
好感を持っていたはずの塚越の声が、みのりの不安を掻き立てる。
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