ずっと大好き…この恋は永遠…
「…塚越さん、1年前のあたしと全く一緒だよね。
南商の3年で、南丘銀行の試験受ける予定で夏休み中に免許とらなきゃで…」
『あぁ、そうだな』
浅井の電話の向こうの騒がしさがふっと消えた。
浅井が旅館のどこから電話を掛けてきているのか気になりながら、みのりが言葉を続ける。
「塚越さんと1年前のあたし一緒だけど…
好きになったりしない?」
『……』
塚越の気持ちを言う事はどうしても出来なかった。
まだ、恋とは限らない塚越の気持ちを伝えるのも気が引けてしまって…
憧れの気持ちで終わってくれれば…
そんな期待があったのかもしれない。
「…浅井さん?」
なかなか答えない浅井に不安になって呼び掛けると、ケータイの向こうから笑いをこらえたような声が聞こえた。
『ならねぇよ(笑)
…っとにバカだな、みのりは』
「だって…っ」
『教習生に興味持った事なんて1度もないし。
…みのりだけだよ、隣に乗せてからかいたくなったのは』
「からかう…っ?」
みのりの声にまた浅井が笑う。
みのりが膨れてベッドに横になると、スプリングがきしんだ。
『みのり今どこ?家?』
突然の問い掛けに、みのりが気まずげにベッドに顔を押し付けた。
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