ずっと大好き…この恋は永遠…
トラウマ
「おっ、佐倉か。
久しぶりだなぁ」
「お久しぶりです」
その週の木曜日、みのりは南商を訪れていた。
理由はもちろん…
「永井先生…
預金してくれませんか?」
ノルマ達成のための営業活動。
4ヵ月振りの学校には懐かしさを感じたが、夏休みで生徒がいないせいか、なんだか静かだった。
野球部のバッティングの金属音がやけに響く。
「まぁボーナスも出たしなぁ…
佐倉も頑張ってるみたいだし…
少しでいいんだろ?」
冷房の効いていない職員室はサウナ状態で、大半の教師が団扇をパタパタさせていた。
「はいっいくらでもいいです。
あ…でも定期預金だから一応5万以上は…」
「バカたれ(笑)
オレだっていい大人なんだから10万、20万は預金できるよ。
でも今日は印鑑を持ってきてないから…
また来週とか来られるか?」
少し申し訳なさそうに言う永井に、みのりが笑顔で頷いた。
コネではあるが、1件でも取っておけば確実に支店長からのイヤミは減る。
それだけで仕事が倍は楽になりそうだった。
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