ずっと大好き…この恋は永遠…
4..過去の罪
着信が教える恋人
偶然というのは重なるもので…
浅井が教習開始のベルに小さなため息をついた。
今日4時間目の教習。
毎日毎日よく照らしつけてくる太陽のおかげで気温はぐんぐん上がり、今日も真夏日を記録していた。
20番車の隣で待つ塚越の姿に、浅井が頭の後ろをかきながら車に近づいた。
苦手な生徒ではなかったが、去年のみのりと同じ境遇の塚越はどうも接しにくくて…
どうしてもみのりを意識してしまって対応に困っていた。
「教習手帳貸して」
浅井の言葉に、塚越が手帳を出して車に乗り込んだ。
公道に出るように指示してから少し走った時だった。
静かだった塚越が浅井に声をかけた。
「あの…浅井さん」
「ん?」
塚越からの呼びかけに、浅井が塚越を振り返る。
信号待ちでエンジン音が小さくなると、ラジオも何もかかっていない車内はやけに静さが目立つ。
そんな静かな空間に少し戸惑ったのか、塚越が少し黙ってから口を開いた。
.