嘘つき男。
日常
三年生
入学式が昨日あって、それまでガランとしていた一年棟は、少し遠慮気味に賑わっていた。
真新しい制服に身をつつみ、まだ中学生のようなあどけなさが、その顔には残っていた。
高校生になってすぐの私も、あんな感じだったのだろうか。
緊張と不安が入り混じったような顔。
ただただ、高校生になれたことを喜ぶような顔。
背伸びをしているような顔。
ー懐かしいなぁ。
そんな私はもう、三年生。
今年で受験生になるのだ。