オマケ集。
「えぇー、感想ソレ?ちゃんとわかったか?俺の言ってること。」
「なにをー!偉そうに!!
・・・でも意外と本を読むよね、亮介は。」
「シュウなんか本、嫌いだもんなあ。
そんなんで図書委員とかやってたし。」
「あはは、そうなの?
ああ、うんじゃあ、やっぱ向いてるかもね、亮介も。」
「なにが?」
相変わらず、琴子は話がすぐ飛ぶ。
「先生。
さっきキミの寝言聞いてて、ひらめいちゃった。
今の話聞いたら、ちょっと考えちゃうけど・・・。
うん、でも、
向いてるよ、亮介先生。」
「・・・そうかね?」
そうだよ、そうだよ!!
嬉しそうにはしゃぐ琴子に、
こっちは苦笑するしかない。
「・・・まあ、向いてる向いてないは他人が決めることだって言うしな。」
「おお、乗り気だ・・・。スゴイ、亮介が先生になっちゃうかも!!」
そうだなあ、なっちゃうかもなあ。
つられたように笑って見せていたのが、
段々堪えきれなくなって、声に出して笑う。
その様子を
にこにこしながら眺めていた琴子が、
こっちを真っ直ぐに見つめて静かに口を開いた。
「でも約束したでしょ?
危ないことは、しないで。
簡単に命をかけたり、しちゃだめだよ。
だって生徒は、明日も先生を待ってるんだから。
わかった?
亮介先生。」
黙って見返すと、じっと瞳をのぞきこまれた。
返事は?と目が訴える。
「・・・わかってるよ。かけても、捨てる気はねえもん。」
「80点。」
なんだ、その点数。
目蓋を開けると、最初に目についた自分の手首の細さにぎょっとした。
【終】