オマケ集。
「うわー、そっかあ、こんなだっけ。
すごいお姉さんに思ってたけど、へえー」
物珍しげに私の顔をのぞきこんでくる、その瞳は。
「・・・もしかして、シュウ君?」
おそるおそる、その名前を口にすると、
彼は驚いたように目を見開いた。
「え?そうだよー。あ、遼平君だと思った?」
そんなに似てる?と
楽しそうに首を傾げて、
彼によく似た笑みを浮かべる。
「ええっ、何でおっきくなっちゃうの!?」
驚いて思わず大声を出すと
シュウ君はくすくすと笑って、
「そういう琴子ちゃんこそ、制服、可愛いね」
なんて、なんだか生意気なことを言う。
もしかして、彼が知ってるのは
もっと年上の私なのだろうか。
シュウ君が高校生なら、その頃、私は―――
あれ?それより私とシュウ君が高校生なら、
亮介は・・・?
「ところで、琴子ちゃんはここで誰を待ってるの?
スケ兄ぃ?」
「ええっ」
急に亮介の名前を出されて、
何だか思考を読まれたような気がしてドキッとする。
不自然に大きな自分の返事に
更に慌てていると、
シュウ君は特に気にする様子もなく
ひとり言のように、
「遼平君なら、多分、来ないんじゃないかな」
と、ぼそっと言った。
「え?」と聞き返すと、
シュウ君は聞こえちゃった?と言う風に、
隙のない顔で、黙って笑って口をつぐむ。