雪の涙
俺は何と無く聞いてみた。

「…〜ッは…い」

悲しそうな声。

「分かった。指輪を返せ」

「はい」

尚凛の手は震えていた。

「…家庭の事情って奴か?」

「…西國組次期組長を任されたので…」

「そうか…」

「組長ー!!遅いっすよ!!!」

家の中から組員が呼んでいる。

「もうすぐ行く!!」

「組長?組長になったんですか!?」

「あぁ、今回のを解決に導いたのは俺のおかげだって親父が……だから…尚更、尚凛に出て行って欲しく無かったが、仕方ないな。また誰か探すよ」

「すみません。では、今までありがとうございました」

尚凛は一礼すると、帰って行った。

「組長?何してるんですか?」

待ちくたびれた組員が家の中から出て来た。

「…親父と話してくる」

俺は組員と家の中に入って行った。

そして、俺は親父の部屋へ向かった。

「親父。失礼します」

「あぁ、入れ」

中から親父の声が聞こえて来た。

「親父。ご報告申し上げたい事が…」

「なんだ?」

「尚凛が西國組を継ぐ為に葛城組を抜けました」

「尚凛がか…。良い奴だったのにな…。もう、下がって良いぞ」

「はい。あっ!あと、相談したい事が一つ…」


一方尚凛は…

「はぁ〜…。これが俺の望んだ道なのかな…?でも、後戻りは出来ないんだ。この道を進むしかない…!!」
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