雪の涙
次の日

「おはようございま〜す♪ってまた、蒼龍が居るぅ〜!!しかも葛城君居ないし…。葛城君は?何処?」

「定期検査だよ。直に戻ってくるよ」

「直にっていつよ!あんたとは喋っていたくないの!」

「そんな事言って良いんですか?正妻になった時、誰も着いて来なくなりますよ?」

「……性格悪い〜」

「結構ですよ」

ガラガラ

「では、気をつけて下さいね」

「はい」

看護婦さんと別れて戸を開けると彩花が飛び付いて来た。

「あっ!かっつらぎくぅ〜ん〜♪♪」

「彩花!来てたのか!疲れたから横になるぜ」

「うん。手をおかしいたしますわ」

「いや、大丈夫だ。松葉杖あるし♪」

「…冷たい…」

「ん?寒いのか?」

「違うよ!!態度が冷たいって言ってるの!!」

「そうか?」

「そうよ!普通、女の子が手を貸すって言ったら有り難く借りるもんよ?!これだから女の子と付き合った事の無い奴は嫌なのよ!」

「付き合った事ならあるぜ?」

俺はベットに座りながら言った。

「えっ!?嘘…。えっ!?じゃあ、フラれたの!?」

「そうだよ。今でも好きだし」

「…セコいよ…。葛城君に愛されてるのにふっちゃうなんて…私は、いくら愛してほしくても見向きもされないのに……。しかも、ふっときながらもまだ葛城君を開放しないなんて…!」

「彩花、ごめんな。彼女の事がふっ切れたら真剣にお前との結婚も考えてやるから…」

「葛城君は…もし、今元カノが来て、もう一度やり直したいって言われたら付き合うの?!」

「分からない。だけど、お前と結婚する時には必ず彼女の事は忘れる。忘れてないまま、彼女を愛したままお前と結婚するのは失礼だと思うしな」

「…しい…」

「ん?」

「嬉しい!!そんな真剣に考えてくれてたんだ!!!」

「結婚は一生に一回の決断だろ?だから真剣に考えたいんだ」

「うん」
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