雪の涙

帰還…

一ヶ月後

「只今戻りました!!」

「よぉ、馬鹿息子。もぅ、大丈夫か?」

「バッチシだぜ♪おっ!蒼龍!!これやる!」

俺は指輪を投げた。

「!!こっ…これは、一番信頼のおける者にだけ渡す指輪じゃないですか!?い…良いんですか!?」

「あぁ、無くすなよ」

「もちろん!!!有り難うございます!!」

蒼龍は右手の中指に指輪をはめた。

「良かったのか?蒼龍で」

「あぁ、良いんだ。蒼龍は俺の為に組を抜けるような忠誠心のある良い奴だと思ってる。だから良いんだ」

「そうか…」

俺と親父は家の中に入った。

「お前に言っとかなきゃならん事があるんだ。お前…見合いをする気は無いか?」

「み…あい…?」

「そうだ。一ヶ月前に見合い相手の人が来ていたんだがお前が入院中だったから帰ってもらってたんだ。もしよければ呼びたいんだが…」

「もしかして…西國 吹雪…?」

「知ってるのか?」

「ぁ…あぁ…元カノだよ…」

「…そうだったのか…。どうする?今回の縁談は断るか?」

「…断ったら親父の立場が悪くなるだろ?彼女に任せるよ。ってか彩花に求婚されてんだった!」

「彩花!?鹿塚 彩花か!!?受けたのか?」

「へ?あ…吹雪を忘れられたら受けるって言った」

「大変だ!!吹雪さんを連れてこい!!鹿塚は吹雪さんを狙ってくるぞ!!」

「吹雪を…彩花が…!…行ってくる!!」

俺は一目散に走った。

「…しかし、西國組と鹿塚組・葛城組が戦ったらまず負けるのは葛城組だろうなぁ…。でもまぁ、全てはあいつ次第だな…。次期組長に任せよう…」
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