MEMORY-君と過ごした夏-
「誰もそんなこと…頼んでませんッ!」
肩を振りほどこうとするも、男の力に勝てるわけなくて。
男は相変わらずニヤニヤ笑いながらしゃべり続けていた。
「噂通り超可愛いじゃ~ん
死んだ彼氏のことなんて忘れてさ、俺と遊ぼうよ…ね?」
「やめて…くださいッ!」
気持ち悪い。
怖い…!
蒼太…
助けて……!
蒼太………!
「なにやってんだ!!」
バァンッという大きな音と共に扉から現れたのは―――
「優也……!」
走ってきたのか、顔を真っ赤にして、肩を上下させている…優也だった。