MEMORY-君と過ごした夏-
「なっ…なにするんですか!!」
「テメェ、人がせっかく遊んでやろうってのに調子乗りやがって!」
今まで私に絡んできた男子の一人だろうか。
すごい形相で私を見ている。
調子乗ってる?
なんで、私が?
いつ調子に乗ったっていうの?
「なんか勘違いしてるみたいだから教えてやるけどなあ、お前の顔と身体以外に興味なんかねぇんだよ!
お前の死んじまった彼氏だってそうだったろうよ!
調子乗ってんじゃねぇよ!!!!」
なんで蒼太のことなにも知らないアンタが、そんなこと言うの?
わかんない。
わかんないよ。
でも――――…
「もう…いいや」
なにもかもが、めんどくさい。
そう心の中で呟いて―――
私は現実から逃げようと、目を閉じた。