MEMORY-君と過ごした夏-
『自分』
「奈央ちゃん、昨日約束したよね?今日デートしてくれるって」
「うん、覚えてるよ。どこ行く?」
「榊 奈央に彼氏盗られた……!絶対許さない……!」
「ごめん、盗った覚えないんだけど」
「なあ、金払えばヤらせてくれんだろ?何円払えばいい?」
「別にお金なんて払わなくてもいいよ?」
「あの子には近づかないほうがいいよね」
「うん、私も一人でいたほうが気が楽だから」
「榊ぃ、お前この前援交してたってマジ?」
「えー?そんなのただの噂だよー?」
「自業自得。最低。死ね」
「なんの話?」
「可愛ければなんでもよくね?榎本だって顔で惚れたんだろ?」
「そうかもねーまあ、アンタもだろうけど」
「榎本くんが可哀想…」
「なんで?」
「正直榎本死んでくれて良かったわ。これで榊に近づけるし」
「ちょっとー死んだ人の悪口は言っちゃダメなんだよ?」
「てかあんな性格ブスのどこがいいわけ?」
「顔でしょ?みんな」
「榊さん、あの…ずっと好きだったんですけど」
「ごめんね、デートぐらいならしてあげるけど?」
「彼氏が死んで病んじゃってるんじゃない?」
「この通り、ピンピンしてるよ?」