MEMORY-君と過ごした夏-
いつからだろう。
違う『自分』を演じるようになったのは。
本当の私は、いつだって遠くからそんな『自分』を見ていた。
もう、すべてがめんどくさかったから。
否定せずに、悪者を演じることにした。
そのほうが、楽だった。
―――それなのに。
『なんで私はここにいるんだろう?』
『私は一体なんのために生きているんだろう?』
そう考えるようになってから、気づいたら私は、学校をやめていた。