MEMORY-君と過ごした夏-





家を出て公園に向かうと、シロが花壇のところに立っているのが見えた。


「おはよう、シロ」


そう呼びかけると、シロは振り向いた。

そのシロの笑顔が、太陽の光に照らされてキラキラ光ってるように見えた。


「そんなとこでなにしてんの?」

「この前ナオが買ってきて植えた花、まだ咲かないのかなあって」


ああ、そうだった。


この前お母さんに買い物を頼まれた日、ここの花が枯れてたから…新しい種を買って、植えたんだった。


「よくわかんないけど…まだ咲かないんじゃないかなぁ

また夜に水やりに来るよ」

「うん!」


そう言ってキラキラ笑うシロを見ていると、なんだか…自分の気持ちまで見透かされてるような気がして。

思わず私は、気になっていたことを口にした。


「ねえ、シロ…私の、お願いのことなんだけど………」





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