MEMORY-君と過ごした夏-





私の言葉にシロは、一瞬驚いたように私を見て――――また、笑った。


「2つ目のお願い…決まった?」


1つ目は…シロが蒼太の姿をして現れたこと、なんだよね。

つまり私があとお願いできるのは…二回。


その二回の願いが叶ったら…シロは、消えちゃうの?


「…ううん、まだ決まってない」


ほんとだ。

ほんとに、自分のお願いなんてわからない。


でも、ほんとのお願いがわかったとき、私はそれをシロに言えるだろうか。

シロのこと…失うことができるのかな。


今の私には…出来そうにないな。


シロの笑顔を見つめながら、思った。




< 135 / 237 >

この作品をシェア

pagetop