MEMORY-君と過ごした夏-

お願い






―――夜になった。


庭を探すとすぐにジョウロは見つかった。

それに水を入れて、公園へと向かう。


…そういえば、私が買った種…なんて花のだったっけ。


どうしても思い出せなくて、「ま、いっか」と呟いた。



「ナオ、こんばんは」


公園に行くと、案の定シロはいて。

私はそんなシロに笑いかけた。


「水やりに来た」


ほんとは…シロに会いたかった、なんて言えないけど。


私が黙って水やりを始めると、シロはいかにも興味津々、って感じで花壇を見つめていた。


「ね、ナオ、これなんて花になるの?」


う…さっきまで私が考えてたことを……





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