MEMORY-君と過ごした夏-





暗闇にうすぼんやりと浮かび上がる2つの影。

そのうちの1人が私の目の前まで歩み寄ってきた。


「奈ー央ちゃん、なんであんなこと言うのさ?」

「……!ショウタ……!」


今朝、私がメールで『もう遊べない』と告げたショウタが、そこには立っていた。


「なんで…ここに…!」

「うーんとね、アイツに奈央ちゃんの家教えてもらったから?」


そう言って後ろを向くショウタ。

もう1つの影も歩み寄ってきて――――



「先…輩…?!」




私の瞳に写ったのは、忘れもしない―――あの日、玄関で私のことを襲った先輩だった。




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