MEMORY-君と過ごした夏-
「アンタ…この前の…」
今私の胸ぐらをつかんでいる女と一緒にいた別の女が、私を見て言った。
…この人…どこかで…
「私の彼氏、盗った奴じゃない…!」
思い出した。
去年の冬、私のことを『泥棒猫』と罵った女だ。
「何?レイカ、コイツのこと知ってんの?」
「知ってるも何も…私も彼氏、奪われたのよコイツに…!」
…終わったな。
女達からの鋭い視線を感じながら、私はうつむいた。
「…ガキがでしゃばるとどうなるか、教えてあげる」
襟を引っ張られて、私は女達に連れて行かれた。