MEMORY-君と過ごした夏-
そう思って、大きく息を吸い込んだ時だった。
「あっれぇ~?奈央ちゃん、そんな態度取っていいのかなぁ?」
ショウタの笑いを含んだ声。
――――その手には、ナイフが握られていた。
「変なマネしたら…わかってるよね?」
ショウタの声は、本気で。
どうしようもなくて、私は小さくうなずいた。
「えらいえらい。俺らもさ、奈央ちゃんを傷つけたくはないわけよ、うん」
じゃあ…なんで…
「なんで…こんなことするんですか……!」