MEMORY-君と過ごした夏-
最後のお願い
赤。
赤。
あの日と同じ、赤い色。
優也は―――血を流して、私に倒れこんだ。
「―――優也ぁぁぁぁッ!!!!」
優也の背中に刺さるナイフ。
優也は、私を…かばったんだ―――
「おいショウタ!ほんとに刺すとは言ってないだろ!!ど、どうすんだよ!!」
「し、しらねぇよ…!」
「逃げるぞ!!」
公園から遠ざかる足音。
私はそんなこと気にもせずに、優也の名前を呼び続けた。
「優也…優也…優也ぁぁぁぁ!!」
私はまた、大切な人を、失うの―――?