MEMORY-君と過ごした夏-
「アンタのせいで、優也は…優也は………」
だんだんと近づいて来る優也のお母さん。
なにも言えない、私…
「アンタの……せいだ」
優也のお母さんは私の目の前に立った。
その目は…なにも映してはいなかった。
「アンタのせいだ!!!!」
バシンッ!という乾いた音がロビーに響く。
少し遅れてやってくる頬の痛み。
…ああ、痛いな。
今までも叩かれたことなんてたくさんあったけど、でも…
こんなに痛いのは、初めてだ。