MEMORY-君と過ごした夏-
「ちょ…やめてください!奈央ちゃんは何も悪くありません!!」
私を必死に庇ってくれる茜さん…
でも、優也が怪我をしたのは…本当に私のせいだから……
「奈央ちゃんが…蒼太くんを失って、悲しかったのはわかるわ
でも……
優也を巻き込まないでちょうだい……!」
そう叫び、泣き崩れる優也のお母さん…
私が何か言えるはずもなくて。
ぎゅっと、拳を握りしめていた。
「…それって、優也が望んでることなんですか?」
小さな呟き。
でも、静まったロビーに、茜さんのその声は不思議なほど響いた。