MEMORY-君と過ごした夏-





その言葉に、優也のお母さんはハッとしたようにうつむいた。

茜さんは言葉を続ける。


「私や、奈央ちゃんの中では…まだまだ、蒼太のことは続いてるんです


蒼太と仲の良かった優也くんの中では…蒼太の死は、もう終わったことなんですかね………?」


相変わらず何も言わない優也のお母さん。


優也は…


蒼太のこと、どう思ってるんだろう………?



「優也くんは、去年も今年も…蒼太の命日にお墓に来てくれました



そこで…涙を流してくれました」





………え?



予想外の言葉に、茜さんを見つめる。

茜さんは、優也のお母さんをまっすぐ見つめていた。





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