MEMORY-君と過ごした夏-
「そんな優也くんが…蒼太のこと忘れてるなんて私には思えないんです
だから…優也くんはきっと、巻き込まれた、なんて思ってないと思います」
そこで初めて、茜さんは…チラリと私を見た。
見て…微笑んだ。
「優也の…お母さん」
恐る恐る声をかける。
優也のお母さんは、少し罰が悪そうに私の方を向いた。
「すみませんでした」
頭を下げると、小さく「えっ」と声を漏らす優也のお母さん。
だって…優也は確かに、私をかばったんだから。
私の…せいだ…
「優也は、いつでも私を助けてくれました
優也には…感謝してもしきれない
…優也を産んでくれて、ありがとうございました」