MEMORY-君と過ごした夏-
看護師さんに着いて茜さんと優也のお母さんが消えると、私はシロに近づいた。
「シロ……」
優也を救ってくれたのは…シロだ。
もし優也が死んでいたら…私は一生、後悔してた…
「ありがとう…ほんとに、ありがとう……」
今さらになって、涙が溢れてきた。
怖かった。
蒼太を失ったときのような…あんな気持ちを味わうのは、もう嫌だった。
……良かった……
「ユウヤのとこ、行こう」
「…うん」
―――そのとき、私は思い出した。
―――『奈央が、好きだから』―――