MEMORY-君と過ごした夏-





病室の扉に寄りかかる。

そのままズルズルとしゃがみこんだ。


「なんで…私、優也のこと好きになれないんだろう」


蒼太が、まだ好きだから?



ううん、違う。


違うよ…



私は、もう……



「ナオ…ナオは、何も悪くないよ…」


そう言って頭を撫でるシロの声が、優しくて。


私は…





「…泣き虫…だなぁ…」



顔を手で覆って、嗚咽を必死におさえながら…涙を流した。




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