MEMORY-君と過ごした夏-
第九章

最低は、






―――あれから、しばらく経った。



優也に会えないまま月日は流れる。


優也…もう退院したかな。


それを確認する勇気も…私には、ない。


そんな自分が嫌で、やるせなくて。

私は毛布を頭から被って、ベッドの上で体育座りをしていた。





―――そのとき





コンッ



何かがぶつかったような音。


毛布から顔を出して、自分の部屋を見回した。




< 176 / 237 >

この作品をシェア

pagetop