MEMORY-君と過ごした夏-
第二章
違和感
茶色いふわふわの髪の毛
白い肌
澄んだ瞳
蒼太だ。
蒼太、だ―――
「傷だらけじゃん!立てる?」
「……た」
「え?」
「蒼太ッッ!!!」
傷が痛むのなんて気にしないで蒼太に抱きついた。
香りまで蒼太だ。
紛れもなく、私が二年間忘れたことのない、蒼太。
蒼太、会いたかった。
ずっと、会いたかった。
会いたかった……!!
「僕は、ソウタじゃないよ」
抱きついている私を優しく離しながら、彼は小さく呟いた。
「僕は、ソウタじゃない」
少し悲しそうに微笑んで、彼は言った。
わかってる。
そんなこと、わかってる。
良く考えれば当たり前。
でも…彼があまりにも。
あまりにも…蒼太にそっくりだったから。