MEMORY-君と過ごした夏-
…私がうじうじしてる間に、アイツはこんなに前に進んでたんだな…
広げられたノートには、知らない数式と消しカスが散らばっていた。
「…がんばれ、っと…」
ノートのはじに目立たないようにそんなメッセージを残す。
…こんくらいしか、私には出来ないしな。
「……あれ、なにこれ」
そのとき、私の目に止まったのは…机の奥にある、倒された写真立て。
それを持って見ると…
「これ……」
それは…
二年前、校外学習に行ったときの写真だった。
私と、優也と、蒼太…
三人で笑って、ピースを向けていた。