MEMORY-君と過ごした夏-
それから私達は、日が暮れるまで泣き続けた。
優也は何度も何度も謝ってくれて…
そのたびに私は「いいってば」と泣きながら笑った。
「じゃあ、私帰るね」
「奈央、ほんとにごめんな」
「だぁーかぁーらっいいってば!」
「だって…服……」
申し訳なさそうに私が持っている袋を見る優也。
ビリビリになった服は、もう着れる状態じゃなくて…
私は今、優也から借りたジャージを着ている。
「大丈夫大丈夫!安いのだし気にしないで!」
にいっと歯を見せて笑うと、少し安心したように優也も笑った。
「そっか…
ほんとにごめんな、奈央
じゃあ、また」
「うん、じゃあね!」