MEMORY-君と過ごした夏-
Happy Birthday
私は、いつもの公園にいた。
ネコを…シロを埋めた花壇の前に、立っている。
シロと、二人で。
「花、咲かないね」
いつの日か植えた花は、まだ芽が出てきているだけだった。
「はやく見たいね…そうしたら名前、わかるのに」
私がため息をつくと、シロが私の手を握りしめた。
相変わらず、シロの手は冷たかった。
「どうしたの?シロ」
「ナオ…ごめんね」
―――僕、一緒に花は見れないや―――