MEMORY-君と過ごした夏-





目的地である公園に着いた。


花壇の前にしゃがみこむ。


花はまだ咲いていない。


…私の世話が悪いのかなあ…


わざとらしくため息をついて、ふふ、と微笑む。



「…シロ」


呟いて、手を合わせた。




シロ、私を見ていますか。


私、あれから一度も泣いてないよ。


シロのお願いだもん。


泣くわけにいかないよね。




―――神様


シロと出会わせてくれて、ありがとう。

奇跡を、ありがとう。



私は今、幸せです。




ゆっくりと、目を開ける。






―――そこには―――





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