MEMORY-君と過ごした夏-





「…奈央」

「何?」



「昨日…ごめん」


突然私に向かって頭を下げる優也。

何のことかわからなくて、私は目を点にした。


「俺、お前の気持ち考えてなかった

だから、ごめん」


昨日って…私が優也のこと殴った、あの時のことか。

…なんで優也が謝るのかがわからない。

どう考えても悪いのは私だ。

二年前からまったく前に進めてない私。


なのになんで、優也が謝るの?


「謝んないでよ…アンタらしくもない」

「でも…」

「…いいってば」


謝られちゃったら…なおさら自分が、哀れに思えちゃうから。





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