MEMORY-君と過ごした夏-





「…そうだとしてもさ、それで行動を起こせるって、すごいことじゃない?」


彼の言葉に顔を上げる。

彼は少し寂しげに、枯れた花を撫でていた。


「どんなに綺麗事言ったって、それを現実にすることが出来る人なんてそうそういない

たとえ同情だとしてもさ、やっぱりナオは…優しいと思う」


…なんで。

昨日会ったばかりの私のことを――


『優しい』なんて言えるの?


「…ねえ、あなたの名前は何?」


「僕?僕のことは…



シロ、って呼んで」



シロ…


変な名前…

あだ名か何かかな…?





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