MEMORY-君と過ごした夏-
存在してる
幽…霊?
「…はは」
くだらない。
そんなことありえない。
何言ってるの?
「…幽霊?そんなこと信じるとでも思った?
第一、恩返しって何よ?
私はアンタに会ったことなんて…ない!」
ありえない。
ありえないありえないありえない。
私の理性が必死にそう叫んでいる。
でもシロはそんな私を見て、やっぱり微笑んだ。
「…そりゃあ、だいぶ見た目変わってるからね」
――え?
じゃあこの蒼太とそっくりの姿は―――
「…この姿は…そうだなあ…君の一つ目の願いだと思ってくれればいいよ」
私の心を読んだかのように言うシロ。
私の…願い…
「ほんと…意味わかんないって……」
幽霊?
願い?
恩返し?
…信じられるわけない…