MEMORY-君と過ごした夏-
「…やっぱり信じられない?」
「…当たり前よ…」
シロは少し考えて、私の手を取った。
「は?!な、なにすんの?!」
「ちょっと来て」
そう言って私を引っ張って歩き出すシロ。
シロのその手はすごく冷たくて、私の手のひらを冷やしていった。
「って…ここ、私の家…?」
「うん。あそこにいる人はナオのお母さんだよね?」
庭で花に水をやっているお母さん。
お母さんはまだ私達には気づいてないみたいだ。
「話しかけてみて」
「なんで?」
「いいから」
しょうがなく、シロに言われた通り「お母さん」と声をかければ、お母さんは振り向いた。