MEMORY-君と過ごした夏-





静かだった。


シロは何も言わなかった。


私はなぜか…微笑を浮かべていた。




蒼太がいなきゃ、こんな世界、意味なんて…ないんだよ。








そう思ってたのに。






シロが―――










「…それは、君の本当の願い?」





あまりにも真っ直ぐで。


あまりにも澄んだ瞳で言うから―――






私は何も、言えなかった。





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