MEMORY-君と過ごした夏-
「お母さんには関係ないでしょ?!放っといてよ頼むから!!」
お母さんに迷惑かけてることも、心配されてることも知ってる。
でもそれを謝れるほど、私は素直じゃない。
それよりも『ウザい』って気持ちのほうが勝るんだ。
「私、もう出かけるから」
「ちょっと…奈央!」
まだ時間はあったけど、このままここにいてもどうせまた口論が始まるだけだ。
私は食べかけのフレンチトーストをお皿に置くと、バッグを持ってリビングを出た。
イライラする。
同じことを繰り返すお母さんにも。
大人になれない自分にも。