MEMORY-君と過ごした夏-
拒絶
帰り道、私もシロも何も言わなかった。
昔の私、か…
今の私は、重ねてしまうぐらい昔の茜さんにそっくりなんだね。
じゃあ…しょうがないか。
そう、しょうがない。
茜さんが嫌なら、しょうがないんだ。
茜さんは前に進もうとしてるんだから、私は邪魔しちゃいけない。
…それなのに…
溢れそうになる涙をこらえて、唇を噛み締めた。
悔しい。悲しい。
なんでだろう。
人から拒絶されるのは、こんなにも苦しいことなの?
今までは平気だったのに…
『死ね』って言われたことも、『消えろ』って言われたことも、何度もある。
それなのに、どうして…
蒼太。
蒼太ならこういうとき、どうしたの?