MEMORY-君と過ごした夏-





――二年前、5月――



「あーめんどくさい」


屋上で寝転がりながら呟いた。


高校に入学して1ヶ月が過ぎた。

たった1ヶ月しか過ぎてないのに、もう授業をサボってる私は…問題児なのかもしれない。


つまんない。


別に高校に入ったからって、新しい何かが待っていると期待してたわけじゃない。

でも、ほんの少しの変化ぐらいあったっていいんじゃない?


相変わらず友達は出来ないし。

いつも一人なのは変わらないし。


まあ確かに私は愛想が良いとは言えないだろうけど。


口癖は『めんどくさい』で、何かある度に舌打ちして。



…だって、つまんないんだもん。

毎日毎日、同じことの繰り返し。


そんな日々に何の意味があるっていうの?





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