MEMORY-君と過ごした夏-
こうやって寝転んで空を見つめていると、なぜか心が澄んでいく気がする。
何も考えず、このままこの青空に溶け込めたら、なんて幸せだろう。
そんなことを考えながら目を閉じたときだった。
――ガチャッ
扉の音。
誰かが屋上に来たらしい。
まさか…先生じゃないだろうね…
めんどくさいなぁ、と小さく呟いた。
コツ、コツ、と、足音が聞こえる。
私に近づいてるみたいだ。
聞こえないフリをして、目を閉じていた。
…足音が突然、止まった。
私のすぐ近くで。
…おそるおそる、目を開いた。
誰かが、私の顔を覗き込んでいた。
しかも、キス出来そうなぐらい近くで。