MEMORY-君と過ごした夏-
「ッきゃあああああっ?!」
――ガツッ!!
驚き過ぎて、柄にもなく悲鳴を上げてしまった。
その上勢いよく顔を上げたせいで、その『誰か』と私のおでこはぶつかって。
しばらく二人して、おでこを押さえて悶絶していた。
…てか、誰よ一体?!
あまりに突然のことで、顔を見てなかった。
痛みで潤んだ目のまま、まだ額を押さえて転がっている奴を見た。
…見覚えある。
アイツ、確か…
そうだ。思い出した。
同じクラスの、榎本 蒼太。